カメラの低照度性能を決定する 4⼤要素

監視・モニタリングシステムにおける大きな課題のひとつに、照度不足があります。 従来、低照度で撮影された画像は鮮明でなく、ディテールが失われ、ノイズも含まれていました。しかし現在では、センサー技術の継続的な向上により、低照度でも非常に優れた性能を発揮する新世代のカメラが誕生しています。 この記事では、カメラの低照度性能を決定する 4大要素について詳しく説明します。

 
https://www.youtube.com/watch?v=xztG3kAVACY
 

低照度性能とその影響要因とは?

低照度性能とは、出力画像の細部を保持し、ノイズを最小限に抑えることで、低照度でも鮮明な画像を提供するカメラの能力です。低照度カメラは、下の画像に示すように、非常に暗い照度条件下でも高品質の画像を提供します。



カメラの低照度性能の要因は次のとおりです。

  • ピクセルサイズ
  • 信号対雑音比(SNR)
  • レンズ絞り
  • 感度

上記の各要因を詳細に確認しましょう。

ピクセルサイズ

画素サイズとは、イメージセンサー内の1画素の物理的な大きさのことです。画素は光子を収集する正方形のウェルであり、画素サイズはこの正方形のウェルの寸法を指します。低照度性能を備えたセンサーの画素サイズは、通常3µm以上です。ウェルが大きいほど、収集される光子の数が多くなるため、低照度環境でのカメラのパフォーマンスが向上します。このため、画素サイズは、低照度アプリケーション用のカメラを選択する際に考慮される最も重要な要素の1つになります。けれども、画素サイズが大きくなると、小型の画像センサーに収容できる画素数が少なくなり、解像度が低下するか、センサーサイズが大きくなることに注意する必要があります。

信号対雑音比 (SNR)

SNRまたは信号対雑音比は、簡単に言えば、画像内の信号(有効な画像データ)とノイズ(無効な画像データ)の量の比率を指します。SNRが高いほど、ノイズが少ないことを意味します。イメージセンサーにおいて、暗電流とトランジスタノイズは主要なノイズ成分として挙げられます。低照度カメラには、これらのノイズ成分を最小限に抑えてより高いSNRを達成し、それによって高品質の画像を生成する機能が備わっています。

レンズ口径

レンズ口径は、センサーに当たる光の量を決定します。これは、撮像システムの仕様ではなく、設計上の考慮事項です。低照度で画像を取り込むには、より多くの光子がセンサーに到達できるように、より大きなレンズ口径が推奨されます。ただし、レンズ口径を大きくすると、カメラの被写界深度が浅くなります。被写界深度は、さまざまな作動距離を使用するアプリケーションにとって重要な考慮事項であるため、そのようなアプリケーション用の低照度撮像システムを構築する際には慎重な設計が必要です。

感度

感度は、入射光子エネルギーを電気信号に変換するイメージセンサーの能力の指標です。高感度のカメラは、低照度の画像を高品質の出力に効率的に変換できるため、低照度のカメラには不可欠な機能です。応答性は感度と同義であり、低照度のシーンからの光子を詳細な画像に変換する際のイメージャ(撮像装置)の効率も示します。

当社の低照度カメラモジュールは以下の通りです:

Related posts

被写界深度(DoF)とはなに、組み込みビジョンにおける関連性

究極のイメージセンサーガイド: EMCCD vs SCMOS vs CMOS vs CCD

USB 3.0と3.1、3.2を比較: それぞれの違いは何ですか?